『科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日誌』がエロを抜かして面白い考え方だった
どうも、邦画です。
今回は面白い考え方の漫画と言うことで、ちょっと変わった本をご紹介。
最初に言っときます、表紙で買いました(笑)
作者さんがエロ本上がりということで、いろいろ期待して手に取りました。そこは間違いありません。
ただ、今回注目したいのはエロの部分ではなく、タイトルにある「科学的」の部分。
これはよくある異世界転生ものなのですが、面白いのはそれぞれの種族、文化、体の作りなど、ファンタジーの要素をかなり検討し理解できるところまで落とし込んでいて、そこが非常に面白いんです。
例えば、1巻の表紙にあるアラクネについても、人間の体と節足動物である蜘蛛の体がくっつく筈がない、では胴体も哺乳類で内骨格だった場合どういう作りなのか、または進化の過程は…など、主人公が化け学の大学生なので、まぁ分析が多い(笑)
文化についても、一般的な人間社会や、アラクネは女性の方が肉体的に何倍も強いので男が手厚く扱われたり(逆男尊女卑?)、ハルピュイアは刹那主義で誰とでも、ゴブリンは拒まず傅くことで色んな種族の血を入れかつ男に責任を取らせることで中立的だったり、オークは男しか生まれないから母親側の種族につくことが多い奉仕種族だったり、まぁ当たり前ながら色んな文化や考え方で暮らしてます。
そして、主人公は異種族ハーレムを目指すという邪な考えながら、それぞれの文化を尊重・理解する努力をして仲間を増やしていきます。
この中で一番面白い考えだったのは、人間病という言葉。
これは、正直読んでもらわないと伝わらないと思うのですが、極論、人間って生き物としておかしくない?ということが、様々な場面を通して語られる訳です。男女差別の意味とか、男社会と女社会とか、性嫌悪症とか、尊厳とはなどなど、同意を得られるのは少ないのでしょうが、凄く面白い。
改めて、人間って生き物としてどんどん面倒くさく、歪になってるんだなぁと思いました。動物として種の繁栄を考えたら、それどうなの?っていうとこが結構あるもんですねぇ。
こんだけいろいろ考えると言うことは、作者は凄く頭が良い人か、凄く変態なのでしょう(笑)
さて、今回発売された6巻も序盤から面白い。
主人公のダイスケのハーレムであるハルピュイアのルピーに対して、別のハルピュイアの雄が勝負に勝ったら俺の子を産めと迫ります。この戦いは親でも夫でも邪魔をしてはならないらしく、見守るダイスケを周りにいる冒険者が気遣います。
しかし、ダイスケが言った言葉は
「良いも悪いもないんだ。そこは割り切らなきゃいけねぇ。」
「それができないなら。そもそも異種族や異文化と関わらない方がいい」
「余計な争いが起こるだけだから」
そして、健闘むなしくルピーは負けてしまい、種付けされてしまいます。ルピーはダイスケの下へ行き、ダイスケは優しくねぎらい二人は席を外します。
文章で書くと悲劇的なものですが、漫画の中では明るくというか普通に描かれていて、そこにある種としてのルールに基づいた営みとして、読んでいる私には見えます。
これが自然なものではなく、ダイスケが努力し続けているということも一言添えられていて、すごく度量が深いなぁと漫画のキャラクターながらしみじみ感じました。
一方、その様子を見ながらケンタウロスのタウラと冒険者一行が、人間社会の不倫について話をしています。一夫一妻の人間の文化からくる独占欲とか嫉妬が、他種族(人魚は一夫一妻で描かれていますが…)から見るととても滑稽で、それこそおやつを取り合う子供に見えてしまうらしいです。
その中でも、不倫小説で描かれるやったのやってないので家庭が崩壊したり、殺し合いをしているのが本当に面白いらしく、話しながら我慢できずに吹き出し笑っています。
しかし、人間である冒険者たちは笑えないらしく、またそれを見たタウラも「えっ、あれってフィクションじゃないの…」と引いている様子がまた面白い。
日本では、芸能人の不倫の話題だけで1週間以上テレビや雑誌で引っ張りだこだし、広告会社やドラマの降板など上に下への大騒ぎですが、これをタウラちゃんに見せたら大爆笑間違いないでしょうね。私が見てても面白いんですからww
けど、これを読んでると本当に動物的な好き嫌いの感情が本当にうらやましい。
現実では、好きに対して嫌いと言うだけでは飽き足らず、自分の気分を害した身分を弁えない人物としてSNSで晒されてしまうとか…
本心を隠す文化って、いつから生まれたんでしょうね?
そりゃ、隠した方が良い場合もあるのでしょうが、今は何でもかんでも隠しすぎのような気がしませんか?まぁ、SNSには晒しすぎの文化もあるので一長一短というかピーキーすぎませんかニホンジン。
さて、あんまり内容を書くと良くないのでこの辺で
それ以外にも、新たな種族が登場したり、主人公とはまた別のルートを歩んでいる親友のオリツエくんが覚醒したりとほんとに面白いとこばかりですので、興味がある方はぜひ買ってみて、良ければ感想を下さい。
つか、1読者が感想を求めるって何様!!
でも、友達に漫画勧めたら感想聞きたいじゃないですか。
まぁ、実際知人に勧めても10件に1件ぐらいしか読んでないですし、自分も同じことしてるので人には言えませんが(笑)
それでも、たまに刺さることがあるから止められない(^_^;)
最近ホモサピエンス全史も買って読んでいる最中なのですが、この漫画読んだあとだと、また違った見方ができそうです。怒られるかな(´・ω・`)
コロナの影響で、会社は休めないけど時間はあるので、また面白い本に出会えると良いなぁ。
なんかオススメがありましたら教えてください。