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『メイプル戦記』は期待以上の続編だった

どうも、邦画です。

 

以前、川原泉さんの紹介をさせていただいた際、『甲子園の空に笑え』の続編がある事実を知り、土日に読むべく全2巻購入いたしました。

まだ、1巻を途中までしか読んでないのですが、とても面白かったので前作の紹介も兼ねてと思います。

 

前作『甲子園の空に笑え』について

甲子園の空に笑え! (白泉社文庫)

甲子園の空に笑え! (白泉社文庫)

 

前回も書いたので、長くならないようサックリ書きます。

お話の主人公は、田舎の豆の木高校に赴任した女性教師 広岡真理子

生物教師の彼女は、若さが理由で野球部の監督に就任。最初こそ、シートノックで若者を走らせることにストレス発散を感じていましたがそこは真面目で理系な性格から、理論書片手に奔走…かと思いきや「目指せ初勝利」をスローガンにのんびりやっていきます。

田舎の子なので、畑の手伝いで休むこともある中、春の日だまりバッテリー、4つ子の内野、少女顔と眼鏡と林くんから構成される外野と、色が濃いのか薄いのか、そんなことは関係なく仲良く楽しく練習しております。

肝心の試合は、のんびりから生まれるメンタルの強さ、畑の手伝いと監督のノックから鍛えられたフィジカルの強さが1割、あとの9割は運で強豪高校をのらりくらり躱しつつ決勝へとコマを進めます。

そして決勝戦、強豪の北斗高校相手に善戦しますがそこは甘くなく、あっさり決定打となるホームランと共に、彼らの夏が終わります。

終わり際、勝っているにも関わらず、試合の間に入る監督の優しい言葉は、夢のような時間が終わりを告げるのを察しているかのようです。

「運が良いといいね、楽しいといいね、幸せだといいね」と言う言葉は本当に切ない。

そして最後の「楽しかったね」と言う言葉にぐっときます。

球漫画としてはなかなか無いほんわかしているのタッチですが、最後にしっかり寂しさを感じるのは野球漫画なんだなぁと納得。

 

そして続編『メイプル戦記』へ

 

メイプル戦記 (第1巻) (白泉社文庫)

メイプル戦記 (第1巻) (白泉社文庫)

  • 作者:川原 泉
  • 発売日: 1999/06/01
  • メディア: 文庫
 

前作より7年後のお話。

主人公は変わらず、広岡先生。

前回のお話からもずっと監督をされていたようで、因縁の北斗高校とも幾多の決戦を繰り広げ、監督の高柳先生とは7年も続く文通仲間。

そんな広岡先生も、元教え子のキャッチャー朝比奈くんが監督になってからはヒマで、使わなくなった野球理論をさらに追求するという迷走ぶり。

そんな彼女にスイート製菓のオーナーから、女性だけのチームを作るということで白羽の矢が立った。

設立した理由はオーナーが忙しくて大好きな野球と宝塚に行けなくなったので、両方楽しめる手段を画策したという光源氏な理由。

そんな理由だから就任して早々、選手もコーチもいない状態。

全国的に募集をかけ集まったメンバーは、元北斗高校エースのオカマ、変幻自在の変化球を投げる聖ミカエル出身のお嬢様とその相方のキャッチャー、宗教がコロコロ変わる外国人のピッチャー陣。豆の木内野4兄弟の妹である4つ子の内野陣。乱闘担当の常識人である外国人、ピッチャーである夫に愛想を尽かし引導を渡す為にバッターボックスに立つ奥さん、強肩で俊足のディスコクイーンの外野陣とある意味完璧な布陣。

満足した監督は、文通仲間の高柳先生をコーチに加え、いざペナントレースへ挑みます!!

 

理論派だった広岡先生は鳴りを潜め、感覚派に。

その代わり、高柳先生が情報を集め、選手のケアをし、時に頭を抱える八面六臂の活躍。

相も変わらず守備編重から生まれる鉄壁の守備と、大砲である奥さん率いる打撃陣、そして多彩な実力者揃いの投手陣は、初出場ながらペナントレース上位に食いついて行きます!

 

テンポの速さは前作通り、サクサクと話が展開していくのですが、間々に挟まるエピソードの濃さは前作以上。オカマピッチャーの恋路、奥さんと旦那さんの対決、外国人ピッチャーの宗教問題に加えてお嬢様ピッチャーの魔球練習など、時にシリアス大体コミカルに描かれる日常は本当に面白い。

 

今回はどんな終わりを迎えるのか、2巻が楽しみです。